【全校集会 ③】 『あるコンビニの貼り紙から ~大人になるってどういうこと?~ 』 令和3年7月5日
あるコンビニの店長さんがつくった1枚の貼り紙を見て、私たちも、もう一度自分を振り返ってみないといけないなと思ったので、今日はそのお話をします。
あるコンビニの店長さんがつくった貼り紙というのはこれです。
貼り紙には、コンビニの駐車場に置き去られたごみの写真と一緒に、ひらがなで書かれた、「いつか大人になるちびっ子たちへ」という題の店長さんのメッセージが書かれています。
そのメッセージを読んでみますね。
いつかおとなになるちびっ子たちへ
こんなところにゴミをすてちゃうひとがいるんだよ。
しんじられないかもしれないけど、くるまをうんてんしてきて、ちゅうしゃじょうにゴミだけすてていったんだよ。
これはとてもはずかしいことだからまねしないでね。
このひとたちはおとなになれなかったんだよ。
おみせのおじちゃんより
(grape編集部
最後の、「このひとたちはおとなになれなかったんだよ。」の一文が、胸に突き刺さります。
みなさんもあと数年すれば、法律的には成人(おとな)となります。さて、皆さんはこの言葉をどう受け止めますか?
年齢を重ねれば、身体も大きくなり、誰だって大人になれます。大人になるのには、資格も免許もいらないのです。
では、「大人になる」とはどういうことなのでしょうか?年齢や身体の大きさの問題なのでしょうか。みなさんにはそこをぜひ考えてもらいたいと思います。
もう一度言います。「大人になる」とはどういうことなのでしょうか?
小さな子どもは、自分の気に入らないことがあったり、自分の思い通りにならないことがあると、すぐ泣きますね。皆さんも、お店で欲しいものを買ってもらえなくて大きな声で泣いている小さな子どもを見たことがあるでしょう。
でも、その子が泣くのは、まだ幼くて、自分のことしか考えられないからです。
だけど、人は年齢が経つにつれ、だんだんそういうことをしなくなります。なぜなら、それは、少しずつ周りのことや相手の気持ちを考えることができるようになるからです。
周りのことや相手の気持ちを考えて行動することを「思いやり」とか「優しさ」といいます。「マナー」という言い方もするものもあります。
そして、周りのことや相手の気持ちを考えて行動できるようになっていくことを「人として成長する」といいます。つまり、周囲への「思いやり」とか「優しさ」をたくさんもてるようになることこそ、「人として成長」し、本当の意味で「大人になっていく」ということなのだと思います。
さっきのコンビニの駐車場にゴミを捨てていった人たちの行動は、何の事情があったのかわかりませんが、残念ながら、ゴミを片づける人のことを思いやった行動とはいえない。次にその場所に車を停めようとする人のことを思いやった行動ともいえない。ゴミを片づける人や次に車を停めようとする人の気持ちよりも、自分が面倒臭くないことの方が大切という、まさに自分のことしか考えられない、お店でぐずる小さな子どもと心の成長レベルは同じではないでしょうか。
だから、先ほどの店長さんは、「おとなになれなかった」人と表現したのでしょう。
岬中学校の目標の一つは、「人を思いやる優しさをもつこと」です。
今日の話を、もう一度、自分を振り返ってみる機会としてくれると嬉しいです。
さあ、1学期も残りわずかです。皆さんには、思いやりと優しさを大切にしながら、岬の風のように爽やかにこの1学期を締めくくって欲しいと思います。