千葉県夷隅郡
大多喜町立西小学校


  令和6年4月9日 西小学校入学式

 5月15日 6年生「ファンタジースプリングス」へ行こう!

 5月19日 夷隅郡市小学校陸上競技大会 国際武道大学陸上競技場

 6月1日(土) 西小運動会 

 7月1日 6年生 国会議事堂

 7月3日 西小がツバメの学校として日本野鳥の会より感謝状(千葉県初受賞)

 7月4日 6年生 大多喜高校の茶道の先生による歴史授業
 
 7月18日 6年生 卒業アルバム用写真撮影

 9月2日 新しい仲間 全校児童75名に! 一緒にがんばろう!

 9月17日 1年生校外学習 苅米牧場 

 9月25日 ポップコーンの収穫 2年生 生活科
 
  9月25日 いすみクリーンセンター校外学習 4年生
 
 10月 1日 ミニバスケットボール壮行会


 10月 2日 1地区ミニバスケットボール大会 
 
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雨(あめ)をふらせてくれた上人(しょうにん)さま

雨(あめ)をふらせてくれた上人(しょうにん)さま
 
 1
 むかし、むかし、ある夏のことだ。大多喜一帯は日照(ひで)りで田んぼの稲も、畑の作物の枯れかかり困っていた。そこで村の衆(しゅう)は妙厳寺(みょうごんじ)の上人(しょうにん)さまに、相談に行った。すると上人(しょうにん)さまは
「天に近い野々塚山(ののづかやま)で祈りましょう」
と言ってくださった。

 2
 山のいただきにつくと、お祈りが始まった。上人(しょうにん)さまの力強い声が山にこだました。村人たちも手を合わせ、(仏さま雨をふらせてくださいませ。田んぼの稲も畑の作物の枯(か)れてしまいます)(どうか雨をふらせてくださいませ)と、心の中で祈った。
 太陽が野々塚山(ののづかやま)の真上に来た。村人の顔には(やっぱりだめか)というあきらめの表情がみえてきた。しかし、上人(しょうにん)さまの声はおとろえることなくつづいた。上人(しょうにん)さまの額(ひたい)からは汗がポタポタ落ち、衣もぬれてきた。
「やっぱり、だめかねえ」
「雲のけはいもないね・・・」
村人に絶望感(ぜつぼうかん)がただよってきた。その時だ。
「雲だ。雲だ。みろ、雲だ」
歓声(かんせい)があがった。
「おお、雲だ。ご上人(しょうにん)さまのお祈りがとどいたのだ」
黒雲がものすごいいきおいで、広がり、野々塚山(ののづかやま)の頭上に近づいてきた。
「あれは、なんだ」
「りゅう・・・竜だ、竜だ」
黒雲の中を、とてつもなく大きな竜が体をくねらせ泳いでいるではないか。竜が太陽をおおうと、空一面に黒雲がわきあがり、すさまじいいきおいで雨がふりはじめた。
「ありがとうございます。生きていくことができます」
野々塚山(ののづかやま)の頂(いただき)は喜びにわきかえった。雨は木々にも、稲にも畑の作物にも、土ぼこりの道にも・・・大地のすべてのもに、しみいるようにふりつづいた。おかげで、ひびわれた田んぼや畑も生きかえり、大多喜の人は日照りの夏をのりきることができた。
 野々塚山(ののづかやま)には「雨ごい」の碑(ひ)が建てられている。
                                                     おしまい

(斉藤弥四郎  ふるさと民話さんぽ「広報おおたきNo.408」より)
(大多喜町)