千葉県夷隅郡
大多喜町立西小学校


  令和6年4月9日 西小学校入学式

 5月15日 6年生「ファンタジースプリングス」へ行こう!

 5月19日 夷隅郡市小学校陸上競技大会 国際武道大学陸上競技場

 6月1日(土) 西小運動会 

 7月1日 6年生 国会議事堂

 7月3日 西小がツバメの学校として日本野鳥の会より感謝状(千葉県初受賞)

 7月4日 6年生 大多喜高校の茶道の先生による歴史授業
 
 7月18日 6年生 卒業アルバム用写真撮影

 9月2日 新しい仲間 全校児童75名に! 一緒にがんばろう!

 9月17日 1年生校外学習 苅米牧場 

 9月25日 ポップコーンの収穫 2年生 生活科
 
  9月25日 いすみクリーンセンター校外学習 4年生
 
 10月 1日 ミニバスケットボール壮行会


 10月 2日 1地区ミニバスケットボール大会 
 
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浄宗寺(じょうそうじ)の『呼(よ)びもどしの鐘(かね)』

    浄宗寺(じょうそうじ)の『呼(よ)びもどしの鐘(かね)』

 
 むかしむかし、三条(さんじょう)の村はずれに貧しいながらも仲のよい百姓一家が住んでいた。
 息子(むすこ)は成人すると
「もうこんな貧しい暮らし、いやだ。金いっぺ稼(かせ)ぐから江戸に行かせてくれ」
と父母に言った。
 はじめは「長男は家のあとを継(つ)ぐもんだ」と反対していた父母も、いつしか(せがれの人生だ。夢をかなえてやるか)と五年の約束で江戸行きを許した。
「体に気をつけて働けよ」
と桜の季節に息子を送り出した。

 
 時が過ぎ、五回目の桜の季節を迎(むか)えようとしていた。
「江戸に行った息子がもうすぐ帰ってくる」
と父母はうれしさのあまり、隣近所に知らせて歩いた。
 桜が散り、あじさいの季節が過ぎ、浄宗寺の境内(けいだい)に曼珠沙華(まんじゅしゃげ)が咲く季節を迎えた。しかし息子は帰ってこなかった。
「正月には帰ってくるだろう」
と待ったが期待(きたい)は裏切られた。また桜の季節を迎えたが息子は帰らなかった。(どうしたんだろう。病気でも・・・)と不安になった。
そこで浄宗寺の和尚(おしょう)さんに相談した。和尚さんはしばらく考えておられたが
「もしもの一念という仏様の教えがある。信心するものが懸命(けんめい)になれば願いがかなう。息子の帰郷(ききょう)を願い鐘をついてみてはどうだろう」
とおっしゃった。

 
 年老いた父母は遠い江戸に届けとばかり、朝と夕に鐘をついた。
 すると不思議なことに息子が帰って来た。
「ふるさとが恋しくなって帰ってきました。朝夕に鐘の音が帰ってこう、帰ってこうと耳奥で聞こえるのです」
「そうかそうか」
父母は顔を見合わせた。夜も遅かったが浄宗寺の和尚さんに礼に行った。わけを話すと
「よかった、よかった。仏様に願いが届いたか」
と、一緒に喜んでくださった。
「ありがとうございました。ありがとうございました」
何度も何度も頭を下げ、礼を述べた。
 その後、この浄宗寺の鐘は『呼びもどしの鐘』とよばれ、大勢の信者が訪れたという。
                                                     おしまい

(斉藤弥四郎  ふるさと民話さんぽ「広報おおたきNo.419」より)
(大多喜町)